平素は当社の事業活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 

 当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症再拡大による中国でのロックダウンの影響、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格・エネルギー価格の高騰と物価の上昇、急激な為替変動等により、引続き不透明な情勢が続きました。

 

 当社グループの事業分野であります自動車業界におきましては、半導体の供給不足により自動車メーカーの生産調整が継続し、日系自動車メーカーのグローバル生産台数はほぼ前年並みに留まりました。

 

 こうした環境下、当社は当期を初年度とする4カ年の「中期経営計画~Mission2025~」をスタートしました。グループの四つの基本機能である開発機能、製造機能、調達機能、グローバル機能の一層の強化による「経済的価値の追求」を図りつつ、環境・社会・ガバナンスの分野において「社会的価値の創造」に資する具体的施策の取り組みを開始しました。

 

 当期の業績については、事業基盤の強化と経営の効率化に取り組んでまいりました結果、連結売上高は、得意先自動車メーカーの生産調整、一部の商用車メーカーの減産の影響があったものの、新規受注品の売上寄与や為替の円安によるプラス影響により、増収となりました。連結営業利益については、原材料価格高騰や海上輸送費の高止まりの影響が大きく、人的投資等のESG関連費用の計上もあり、減益となりました。

 

 新年度は「中期経営計画~Mission2025~」の2年目の重要な期となります。当社を取り巻く事業環境は依然として不透明感を拭えませんが、当社グループの役職員は「ミッション・ステートメント」の実現による“車づくりに欠かせない会社”を目指して、様々な重要課題の解決に全社一丸となって取り組んでまいります。

 株主の皆様におかれましては、今後とも尚一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

2023年6月

株式会社オーハシテクニカ

代表取締役社長 柴崎 衛